土曜のライブインマジックを詳しく(東京図鑑)

まだ日の浅い私。人に誘われるまま乏しい知識だけを持って現場を訪れることばかり。

でもこんな僕でも、東京図鑑という四字熟語は知っていました。インターネットでかなりあちこちで取り上げられているからです。その中の2人、杏野はるなちゃんと相沢明日香ちゃんが出るというので、おおっその2人なら知ってるよお、かわいいよねえー、ということでライブインマジックへ来てみたのでした。

何しろプチ☆プチが出るということすら出てきてから知ったといっても過言ではないわけで。マネージャーさんにも会えて意外なよろこびでありました。(ここのところはプチ☆プチ編の補遺)

杏野はるなちゃん。
つい数日前まで「きょうの」だと思ってました。あんのはるなちゃん。

はるなちゃんはおそろしいほどの美人です。日本人でここまでの美人というのはふつうなかなか見かけないのでちょっと違和感があるほどです。どちらかというと、ベトナム人とかにこの手の完璧な顔立ちをした美白少女というのがまぎれこんでいますよねえ。

九州だそうです。扶余系美人か熊襲系美人かというところでいってもどちらにもあてはまらない感じです。前者はツングースから朝鮮半島を経て弥生人という、秋田美人なんかにもつながる切れ長の目をした系列。後者はモン=クメールから琉球を経て後期縄文人という、のりピーとか国中涼子へとつながるえらの張った系統。といわれているわけですが、このほかにもしかすると第三の系列として、海賊の恋人として呉越あたりから五島列島に来ちゃった美人とか、ベトナムから潮に乗って米を運んできた女神とか、そういったあたりに属する人たちがいるのかもしれません。そんなことを思わせるぱっちり目とすっきりした顔立ち、非現実的でありながら目に心地よい肌の白さを持つ16歳の少女です。はるなちゃん。

よく未来想像図の登場人物とか、愛知万博にも出展されてるコンパニオンロボットの顔とかをつくるときに、「古今東西の美人像の平均をとってコンピュータ合成した顔」の超美人女性を描いてしまっていることがあるけど、非現実的な顔なのですよね。ところがはるなちゃんを見るとその顔が現実にそこにいるわけです。今まで写真を見てきて、そのCGのような完整した容貌に感嘆していたのですが、ステージを見たらなんとそれだけじゃなく歌も振りもしゃべりも非の打ちどころがなく、こんな人が実在するのはおどろきだと思いました。

はるなちゃんの表情や歌の振り付けの目だった特徴は、非常に安定した動きをするということです。まるで3.0 GHzのCPUが1 GBのメインRAMで悠々動作しているという感じです。予想外の動きなどはまったくなくてなめらかな身体の動き。自然な笑顔をずっとたたえていることができる、シャッターチャンスを持たない被写体。どのタイミングで撮ってもちゃんと目をぱっちりあいた笑顔で写るのですね。実際、ライブの写真なんかを見せてもらうとそういう写真ばっかりです。すごいです。油圧系統が非常にキャパシティ大きくて、乗っていてもまったく揺れない、新幹線のぞみという感じです。

はるなちゃんのステージでの話し方の特徴は、非常に言葉遣いが正しいということです。聰明さを感じさせます。これは終演後の物販のときもそういう話し方は崩れないようだったので、ほんとうに大したものだと思いました。

言いよどんだり、どもったり、言葉が顛倒したりすることがまるでないのです。たまに倒置することはあってもそれはそういう効果を明らかに会話のなかで狙って使っているように見えます。あれはかなり頭がよくないとできない話し方だと思います。

ある程度は東京図鑑の大人の人が作りこんだMCを記憶して発声しているという部分はあるんだろうと思いますが、それだけだったらそれ以外のイレギュラーな会話のときにぼろが出るはずで、そういうのが一切見えなかったのは本当に芯からそういう筋道立った思考のあらわれとしてわかりやすい聞きやすい話し方ができる子だということだと思います。

自社タレントの名前を言うときはよびすて。中の人ですからね。敬語の使い方のイロハです。定石通りです。これって社会ではあたりまえだけど、16歳の女の子とか、アイドルとか、そういうシチュエーションに置かれた人がそういえばこういう正しい言い方をするのはほとんど見た覚えがないことに気づきます。

歌の出番の終わり近くに言った「東京図鑑の演し物(だしもの)」という表現。意図せずにぽっと出てくる表現ではありません。このあたりには作り手としての強い表現意欲みたいなものを感じます。ことばへの執着というか美意識、こだわりを垣間見せてくれます。その作り手のなかに、はるなちゃんがそのパーソナリティで大きな位置をしめているのか、それともふつうに大人の人が作りこんだものにうまく乗っかれる子なのか、そのあたりはわかりませんが。

まさに作り込まれた演し物。東京図鑑というちょっと軽い印象も受ける名前や、水着グラビアというビジュアルのみが勝負の活動主体の子たちという先入観からはちょっとすぐには結びつかない、意外にもこだわって作られたステージ。グラビアだけの彼女を知る人はたいへん多いはずです。ステージの彼女を知る人は惜しいことに大変少ない。なんだかとても得をした気分がした、といったら悪いけれど、いいもの見せてもらえたと思いました。

名前だけ見るとまるで原宿探検隊で、そのあたりと同じ造語法というか語感の系列上に乗って見えるけれど、でも素直にこの4字を見つめればじつはけっこう品のいい新しい日本語を作り出しているわけで、美しい図鑑を眺めるように、東京(という符号によって代表されるところの日本の今)のプリティを見ていたい。なんと耽美的な語感ではありませんかそう考えると。なのに関西援交tokyo-inter.netとかをそのネーミングからつい連想してしまうのは、これはもう見る側のココロの闇としかいいようがないのでしょうか。

東京図鑑という事務所の来歴やこれまでのあゆみを僕は知りません。東京図鑑がこの人以前にあったかどうかもわからないですが、でも確かにいえることは、この人が今その強烈な個性と安定感をもって他の東京図鑑の子たちを引っ張って歩いており、今後もまた当分は歩いて行くのだろうなあ、という期待にも似た確信、願望にも似た予想です。

何いってるかわかんなくなってきたんで
相沢明日香編はまたあらためて。。。