東京図鑑USAツアー

 杏野はるなちゃんだけでなく、相沢明日香ちゃんも一緒に行くそうです。参加できる方がうらやましいです。いろいろ回るみたい。

 USAといえば、西尾舞生ちゃんがレッスンのためにロサンゼルスへ行ったとき、追いかけて行ってしまったファンの方がいました。すごい行動力だと思ったものです。舞生ママサイドでもすごいウェルカムだったとのこと。さぞかし密度の濃い時間を過ごされたことでしょう。

 舞生ちゃん、どこへ行ってしまったのでしょう。ロサンゼルスに行ってまでレッスンしたわりには、その後、消息を聞かなくなってしまいました。ユウプロモーション、今もあるんでしょうか。

 舞生ちゃんと行ったサイパンツアーも楽しかったです。参加者はおよそ10名ちょっとだったかな。私も海外に出るのは14年ぶりで、ちょうどプレアイドルもあらかた終わった頃で、何か楽しいことないかと探していたころだったのです。舞生ママと協力関係にあるおじさんにおんぶにだっこでした。中国奥地へ行ったときの話など、面白く話してくださったものです。

 海岸にいた子供たちがハエを捕まえて遊んでいたので、一緒に遊んだりもしました。7歳ぐらいの男の子と、もうひと回り小さい5歳ぐらいの少女。私のつたない英語では、彼の「fly」という英語もさいしょよく聞きとれなかったり。というか英語で実際に人と会話したこと自体がほぼ生まれて初めてだったり。

 ファンの人々は舞生ちゃんとプールで遊んでいましたが、舞生ちゃんの旺盛すぎるサービス精神が日ごろから何だか痛々しくて、僕はつい目黒区福祉センターのそばのファミレスで「風邪ひいてるのに気つかってくれてすみませんねえ」みたいに言っちゃったことがあったのです。ファンにテーブルマジック見せてくれてたとき。そしたらそれが皮肉みたいに取られちゃったみたいで、以来彼女とのあいだに何となくぎくしゃくしたものを感じていました。

 だからプールには僕は加わらずに現地の子供たちと遊んでいたのでしたが、やがて舞生ちゃんも疲れて部屋に帰ったみたいで、ファンの人たちがこっちで遊んでいるのを見つけて流れてきました。こういうツアーに参加するような人たちですからやはり子供とは遊びたいわけです。

 北茨城でもキャンディの6歳の子を砂に埋めたりしながら、股間の水着と中身のすきまを覗き込んだりしていた人たちでした。まるまる見えていましたからねえ。夏の終わりの閑散とした砂浜で、そこだけ男が何人もしゃがんでひとりの砂埋め幼女にむらがっているさまは、ちょっぴり異様な光景だったと言えないこともないかもしれません。

 サイパン人の少年。フィリピンからの出稼ぎも多いそうなのでフィリピンだったかもしれませんが、その彼に、当時珍しかった500mm相当ズームのデジカメで写真を撮らせていたら、プールサイドにいたその父親が慌てて子どもに返しなさいと言ったものです。父親はプールサイドのスタッフだったようで、お父さんの仕事にくっついて子供も来て遊んでたってことでしょうね。

 ほしいものがあるというので、スーパーで買って翌日やったところ、彼は砂浜の売店へかけていきました。お母さん、これもらったよ。あらあらすみませんねえ。お母さんは売店で働いていたのでした。

 ホテルのそばのスーパーには、隣に「中国女性マッサージ」というお店がありました。砂浜で遊んで疲れたので、夕食のとき、「中国女性マッサージってあそこにあったから行こうかな」と言ったら、舞生ママが一瞬不機嫌に。その理由すら当時はわからなかった、本当にうぶな私でした。性的な内容のサービスかもしれないとはみじんも思わなかったのです。

 平屋の建物ばかりが点在する、青空の広いサイパンの陸。戦車のさびついた砲塔だけが水平線にシルエットを描く、サイパンの夕方の海の空。夜はガラパンという中心街へ行きました。ニッコーホテルという超高層の高級日系ホテルがそびえたっていて、それまでの景色とはきわだって恐ろしげに感じられました。そのふもとには多数のみやげ屋、食堂、そして意味のわからないカラーのネオン…。

 女の子と一緒にツアーへ行くことそのものよりも、それをきっかけとして、それまで限られていた自分の視野が一気に世界へ広がるということの効果は大きいと思います。東京図鑑ツアーに参加される方々にも、そのような新しい人生の幕開きが訪れることを祈っています。