幼女風俗の思い出

 ピュアコーポレーションを長いあいだウォッチしてきた。

 姫乃樹リカを発掘した中牟田氏を私は長年尊敬してきたので、そういう人が公園や観光地でしょぼしょぼと撮影会&お遊びイベントを開いているということに、当初驚きを禁じえなかった。気になって何度か現場へ足を運んでみたが、ひとつのイベントの中で、完全にお遊びオンリーになってる子と、きちんと撮影会になってる子とが、きっぱり分かれていたのが印象的だった。

 撮影会モードの子についてはおおむね他の団体と同じで、特筆すべきことはない。ただ唯一違う点は、そういうふうにきちんとやれているのは、事務所ではなくその子のファンの努力によっているということだった。

 驚いたのはお遊びモードの子たちのほうだ。

 私が初めて行ったときからおよそ5年の間に、女の子の年齢はどんどん下がっていき、ついには小学一年生の子なども撮られに来るようになった。一時たりともカメラの前にとどまっていない幼女。ただ勝手に遊ぶ幼女を、懸命に追いかけて撮る客。というかもう客も一緒に遊んでいたりして、だんだん、そういうのが好きな客しか残らなくなっていった。撮りたい客の声は、どうにも通らなかったからである。

 客が幼女を肩ぐるましているのを初めて目にしたときは衝撃を受けた。

 葉っぱを取ってやりながら髪にふれる。

 服を直してやりながら中をのぞく。

 抱き上げてやりながら胸とおしりをまさぐる。

 その横で、パンチラや生乳首をカメラで狙いまくっている客もいた。なんという素晴らしい“撮影会”だろう。

 以前私は、キューティーレモン解散後のラックアップのイベントを

プレアイドル風俗」

と名づけたことがある。“プレアイドル”という呼び声とはうらはらの、はたからはどう見ても将来性のない境遇に置かれた若い中学生や高校生の女の子たちと、海や遊園地やロビータイムで、思う存分たわむれることができたからだ。もちろんあの頃、胸やおしりはさわれなかったが。ビジネスモデルとしてけっこううまみがあったのか、その後、模倣主催者も続々現れた。

 その伝でいけば、今ピュアがやっていることはその密着度と若さをとことんまで推し進めた究極の最終形、いわば

「幼女風俗」

と呼ぶことができるかもしれない。とうとう日本も行き着く所まで行き着いたかと感じたものである。

 告白すれば私もこういうのが嫌いではない。

 だがその一方で、カネを払って小学生の幼女に遊んでもらう立場に身を落とすことへの最後の心理的抵抗感もあって、なんとなく、あまり積極的には足を運ばないようにはしていた。こう見えてもかつてはいっぱしのアイドルファンである。その一方で、きわめた風俗に通った経験もある。今さら中途半端な幼女着衣風俗におぼれるのはプライドが許さなかったともいえる。

 その半面、素直になれば楽になれるよ、という心の声も常にあったことは確かである。しかしピュアの現場はすでに、幼女とベタベタしたい客のギラギラしたオーラで満ち満ちており、その入り込みづらさがかろうじて私を常連化から救っていたといえよう。

 忘れられない眼がある。

 明治公園でのピュアイベントで、いつもニコニコして幼女をだっこしておんぶして肩ぐるましていた背の高い男が、私がひさびさにカメラを首に下げて輪に近づいていった時に、振り返って私に向けた鋭い、ほの暗い一瞬の目つき。明らかに彼にとってあのとき私は、彼の最後の聖域に闖入しようとする競争者だった。

 それでも気を取り直して輪に加わっては行ったのだが、人なつっこい幼女にみんなと一緒に遊んでもらいながら、ふと、オレなにしてるんだろ、というむなしい気持ちが強く脳裏をかすめてしまい、素直に楽しめずに終わってしまったものだ。

「ここまで落ちちゃダメだ! 人生がんばらなきゃ俺!!」

というのがあの後感じた率直な想いだった。逆の意味で元気をくれたイベントだったのかもしれない。あれ以来、ピュアの普通の現場には顔を出していない。

 一度だけ行われたバスツアーには、ふだん会えない友人たちとネットで誘いあわせ、遠足気分で参加した。だが、やはり同質の疎外感とむなしさを感じてしまったことは、このブログに以前書いたとおりである。

 突如、ピュアコーポレーションがイベントから撤退すると宣言した。

 昨日のことだ。理由は中牟田氏の

最近慣れっこになって 撮影会というより談笑会のようになっています 
そうなると本来の目的とも違ってきます ということはイベントをやる意味もなくなってきます 
今後も継続するために 皆さんも甘やかさないでちゃんと叱ってください 
あくまでも遊びではなくお仕事ですから お金を頂くということは そういうことですから
こちらも色々考えてみます ご協力宜しくお願いします

という「お願い」に対して、ある客がファンサイトで、過去に中牟田氏が書いた「色々な御意見に対する当社の所見」という内容を引用したうえで、前に言った事に対して矛盾を感じたという事を指摘したうえで、(2006.02.19 00:32挿入)

本来の目的って結局なんなんでしょう?
少なくとも3年前に撮影会ではないと否定されたと認識してはいます。
昔は、ちゃんと撮影する環境にしようとしてましたが事務所の方針にそぐわないようなので
撮影される気のある子以外は勝手に遊ばすようにしてましたけど、
そのままにしておけば普通のイベントにはならない状況になるのはわかっていたので、
自由奔放にさせてた当然の結果だと思います。
でも、事務所の方針に一般の参加者が口を挟む事ではないと思っていたのですが今更なにを協力すればいいのでしょう?

と主催者に問うたことにあるようだ。

 それに対する回答めいたものも後からオフィシャルサイトに記されてはいる。が、正面から答えているようにはとても見えない。その客も言っていたように、自分へのYESしか認めることのできない男が、YES以外のものをつきつけられたと感じてキレているようにしか読み取れないのが痛い。

 今オフィシャルサイトを見たら、これまでのイベント告知や、イベント後の女の子からの感謝メッセージのログもすべて、消されてしまっていた。まるで、かんの強いこどもが自分の砂の城を壊してしまったのを見たような気持ちがした。

 まあ実のところ、

「いやー、ひさびさに面白いもの見させてもらいましたよ(激苦笑)」

というのが率直な感想だが、なんだかここまで痛すぎると、逆に中牟田氏がかわいそうにも思えてくるのである。

 たぶん中牟田氏は人として、ほかの主催者にない純真無垢さを持っている。儲けるための、押し出すための腹黒さのようなものがまったく感じられない。だがその分、客商売や社長業にはとことん向いてない人なのだろう。大方の客は、そんな中牟田氏の弱さも含めて愛してかよっていたように思う。

 関連があるのかはわからないが、一番人気の由梨ちゃんも、1週間前に突如事務所を抜けてしまった。勝手な想像だが、彼女が成長した結果、中牟田氏の精神年齢を超えてしまい、これ以上つきあうのがつらくなってしまったのではないか。今ならわかる気がする、姫乃樹リカがピュアを辞めたのも、あながち、彼女の身勝手ばかりでもなかったのかもなあ、と…。